病床に伏すが故の読書

ここんとこ風邪をひいて、とてもじゃないが遠出出来る状態ではないので積ん読および読みかけ本に手を出す。

『バルカン音楽ガイド』(関口義人/青弓社
アマゾン・ドット・コムの光と影』(横田増生/情報センター出版局)

『バルカン』は個人的な趣味から。クストリッツアの映画からバルカン音楽(より正確に言うとロマ・ミュージック)に興味を持っていたものの、ユーゴの政情に関する本ばかり読んでいたような気が。初めてユーゴ圏の音楽に触れた本を読む。セルビア・モンテネグロの章に紹介されているベオグラード近郊にて行われているフェス「リングリング・フェスティバル」に大友良英氏など日本のアーティストが参加していたりと日本との接点が少ないがあるということを初めて知る。

情報量はたいして知識のない私にはおなかいっぱい。求めるのはバルカン音楽の特徴やら魅力が伝わるような本…と言っても言葉で音楽を語るのは難しいなと。


『アマゾン』はかつて文春に掲載されてルポの大幅加筆されたもの。で文春で載った時点で既に感じていたが、特に驚くべき内容に私は感じず。それは決してこの本の質の問題ではなく、日雇い派遣を経験したことがあるものなら誰でもそう思うところだろう。アマゾンに限らず、流通部門を持つ新興企業にはありふれた光景。この「ありふれた」なる状況があまりに矛盾を抱えたことであるのは非常意良くわかる。実際私もその状況から抜け出した一人ではあるが。

ただこれを読む人間がこれを解消するような力になるという期待が一切私には沸いてこない。アマゾンで本を買わず書店にて本を買うことで対抗しようにも、大手取次がかかわっていることから注文しても書店に届かないなんてことも起こりうるわけだし。当然ながら直接行動なんて考えに至るとは思えず。結局こういう業種に限らず労使関係を見直さないとなんの解決にならんということでしょうね。


でその労使関係関わる本を今読んでいる最中。まあそれについてはそのうち気が向いたら。